行政書士試験って難しい?
行政書士試験ははっきり言って難しい部類の試験だと私は思います。合格率や必要な勉強時間、広範な出題範囲が理由です。しかし、計画的に勉強を進めていけば合格も不可能ではありませんし、難しいかどうかは人それぞれではないでしょうか。
これから行政書士試験を受ける方は試験の難易度について分からないことも多く、受験を諦めてしまう方もいるのではないでしょうか。この記事では受験を迷っている方に行政書士試験の”難易度”を私の経験を踏まえてお伝えします。
一口に”難易度”といっても様々な角度から読み取ることができるので、合格率や勉強時間、出題される問題、他の試験等との比較を通じて解説していきたいと思います。
合格率について
行政書士試験は合格率でみると難しい部類の試験だといえます。
年度 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和3 | 61,869 | 47,870 | 5,353 | 11.18% |
令和2 | 54,847 | 41,681 | 4,470 | 10.72% |
令和元 | 52,386 | 39,821 | 4,571 | 11.48% |
平成30 | 50,926 | 39,105 | 4,968 | 12.70% |
平成29 | 52,214 | 40,449 | 6,360 | 15.72% |
行政書士試験の合格率は過去5年で15.7%~11.2%の間で推移しています。過去には合格率2%代の年もあるようですが、ここ10年ではおおむね合格率10%前後、つまり試験当日の会場を見渡してその中の10人に1人が合格できる計算になります。
合格率について令和3年度の他の士業系資格試験などと比較
資格 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
司法書士 | 11,925 | 613 | 5.1% |
土地家屋調査士 | 3,859 | 404 | 10.4% |
社会保険労務士 | 37,306 | 2,937 | 7.9% |
宅地建物取引士 | 24,965 | 3,892 | 15.6% |
測量士 | 2,773 | 498 | 18.0% |
(参考)国家公務員総合職 | 15,330(申込者数) | 1,873 | 12.2% |
出典:司法書士試験・土地家屋調査士 法務省HPより
出典:社会保険労務士 社会保険労務士試験オフィシャルサイトより
出典:宅地建物取引士 一般財団法人不動産適正取引推進機構HPより
出典:測量士 国土地理院HPより
出典:国家公務員総合職 人事院HPより
合格率だけで評価すると行政書士試験は、司法書士・社会保険労務士より易しく土地家屋調査士と同等で宅地建物取引士より難しいといえます。しかし、実際には受験者層の違いや出題科目、受験人数の違いなどにより一概に合格率だけを見て難易度を判断するのはあまり良くありません。あくまで一つの参考にしてくださいね。
勉強時間について
行政書士試験に合格するために必要な総勉強時間も試験の”難易度”の一つであると思います。行政書士試験・宅地建物取引士試験・測量士試験をブログ主の経験と、ネット上で探した一般的な勉強時間を比較しました。
資格 | ブログ主の総勉強時間 | 一般的な総勉強時間(出典) |
行政書士 | 445時間 | 600時間~1000時間 |
宅地建物取引士 | 145時間 | 300時間~400時間 |
測量士 | 290時間 | 300時間程度 |
一般的な勉強時間はアガルートアカデミーのサイトを参考にしました。自分の経験からしてもアガルートアカデミーがHPで紹介している総勉強時間は概ね正しいと思います。宅地建物取引士試験の勉強時間に大きな差があるのは、行政書士試験の民法の知識を宅地建物取引士試験にほぼそのまま生かすことが出来たからだと思います。
私は行政書士試験に194点でギリギリ合格できましたが、余裕をもって合格したいのであれば勉強時間は500時間以上は見積もった方が良く、やはり600時間~1000時間が確実に合格するためには必要になるかもしれません。
この総勉強時間も難易度の参考にしてみてください。
出題科目について
行政書士試験は出題範囲が広く、過去問のくり返しだけではなくインプットとアウトプットを両立しながら知識の定着を図りましょう。
行政書士試験の問題の範囲(令和4年度試験案内による)
- 憲法・・・前文と全103条からなる→手を付けやすい。
- 行政法・・・行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法→広範囲の学習が必要。
- 民法・・・条文が1000以上→広範囲の学習が必要。
- 商法(会社法)・・・条文が1000以上で範囲が広い→私はほとんど学習せず捨てました。
- その他基礎法学・・・ある程度出題範囲を絞ることができる。
- 一般知識・・・出題範囲を絞ることができるものもあれば、時事問題があり対策が難しい場合も。
このように行政書士試験の出題範囲はかなり広範になるので、知識の定着が課題になります。
私は一度行政書士試験を不合格になっています。総勉強時間が不足していたことが一番の原因だと思っていますが、アウトプット重視な過去問中心の勉強方法も失敗の一因でした。この広範な出題範囲をカバーするためには知識のインプット方法を工夫する必要がありますし、勉強する範囲を絞る必要があるといえるでしょう。
自分は不合格した時の反省から知識のインプット方法や勉強範囲の絞り方が分からなかったので、二度目に受験し合格した際は通信講座を利用しました。振り返ってみると最適な学習ができたと思っています。
行政書士試験では計画的に勉強を進めていく必要があるといえます。そのようなことからも「難易度が高い」といえるのではないでしょうか。
まとめ
私は行政書士試験は難しい部類の試験だと思います。受験者の約10人に1人しか合格できない合格率や、必要な勉強時間・試験の出題範囲が広いということがその理由です。しかし、必要な勉強時間や勉強方法を守ることができれば確実に合格することができるとも言えるでしょう。
当記事や予備校、他の個人などから発信される”試験の難易度”の情報を収集し、学習計画を立てることができれば合格も夢ではありません。