測量士試験の大まかな概要についてこのページで解説します。
なお当記事は令和4年度測量士試験に合格したブログ管理人の経験から記述しています。ちなみに、合格後は測量とは関係なく暮らしている会社員ですので、その視点からの記事となります。
測量士という資格について
測量士とは
測量士とは測量法に定められた国家資格です。
ブログ管理人は測量とは無関係に生活しているので、実務的な視点から違いを説明することはできません。なので測量法上からの違いの説明に留めさせていただきます。
第四十八条 技術者として基本測量又は公共測量に従事する者は、第四十九条の規定に従い登録された測量士又は測量士補でなければならない。
2 測量士は、測量に関する計画を作製し、又は実施する。
3 測量士補は、測量士の作製した計画に従い測量に従事する。
国土地理院が行う基本測量や地方公共団体などが行う公共測量に従事できる資格が、測量士や測量士補です。
測量法上で測量士と測量士補の違いを特筆するなら、上記の第48条と下記の第55条の13だと私は思います。
第五十五条の十三 測量業者は、その営業所ごとに測量士を一人以上置かなければならない。
2 前項の規定は、測量業者(法人である場合においては、その役員のうちいずれかの役員)が測量士であるときは、その者が自ら主として業務を行なう営業所については、適用しない。
これらの条文から両者の違いをざっくり説明すると、測量士は測量に関する計画やその実施を行うことが出来て、営業所への配置義務もあります。測量士補はその補助といった位置づけでしょうか。
測量士試験・測量士補試験の大きな違い
測量士試験と測量士補試験には違いがあります。受験申込される際の参考にしてください。
試験科目
測量士試験
(1)測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
(2)多角測量
(3)汎地球測位システム測量
(4)水準測量
(5)地形測量
(6)写真測量
(7)地図編集
(8)応用測量
(9)地理情報システム
測量士補試験
(1)測量に関する法規
(2)多角測量
(3)汎地球測位システム測量
(4)水準測量
(5)地形測量
(6)写真測量
(7)地図編集
(8)応用測量
令和4年度受験案内を参考にするとこのような科目が列記されています。両方の過去問を学習した感想としては、測量士試験は測量士試験定番の、測量士補試験は測量士補試験定番の問題がくり返し出題されているような印象でした。
出題範囲でそこまで悩む必要はないと思います。なお、測量士試験では電卓を使用することが出来ます。
日程
測量士試験
スケジュール:
①申し込みは例年1月(末日までではないので注意しましょう)
②本番は例年5月中旬(測量士補試験と同日)
試験の日程:午前に択一式試験。午後に筆記試験。
※試験当日は電卓が配布されて使用できます。
測量士補試験
スケジュール:測量士試験と同じです。
試験の日程:午後に択一式試験。
※試験当日電卓を使用することはできません。
受験料
測量士試験 | 4,250円 |
測量士補試験 | 2,850円 |
他の資格試験と比較しても、割安な部類に入るのではないでしょうか?(宅建試験:8,200円 行政書士試験:10,400円)
なお支払いは受験申し込みをする際に収入印紙を貼って行うしかないので余裕をもって申し込みをしましょう。
おすすめはどちら??
私のようなほぼ趣味で資格取得を目指す方に向けてアドバイスします。
測量士試験がおすすめの方
そこそこ勉強したい方
私は測量士試験に総勉強時間「291時間」で合格しました。勉強期間は半年ほどで1日1~2時間の勉強量でした。
測量士補試験の学習から始めたのですが、測量士補の学習開始から1か月後に新たな年度の過去問に挑戦してみたら合格点だったので、少し背伸びがしたくなり測量士の方に挑戦しました。
択一式の資格試験に飽きた方
測量士試験の魅力は何といっても午後の記述試験です。作図問題は択一式試験ではなかなか味わえない経験です。作図問題を勉強している時は定規で線を引いたり、計算式を書いたりと勉強した充実感を味わうことが出来ます。
測量についてある程度学びたい方
測量士試験の問題は測量士補試験の延長線上にあるといえます。測量という分野をこの資格試験の勉強で学びたい場合は測量士の方が深く学ぶことが出来るのでおすすめです。
測量士補試験がおすすめの方
とにかく国家資格がほしい
なんでも良いので国家資格が欲しいという方は測量士補試験をおすすめします。試験勉強は1~3か月くらいで過去問を繰り返すことが大切だと思います。
なお、合格後に測量士補を名乗るには登録が必要です。
少しでも良いので自信が欲しい方
試験に合格すると合格証書が国土地理院長の押印付きで送付されてきます。昔ははがきサイズだったみたいですが今は三つ折りにされてA4サイズで届きます。
趣味で資格を勉強することは自己満足かもしれませんが努力したことは紛れもない事実です。そのことを自身の源にすることは悪いことではないはずです。
土地家屋調査士試験を目指している方
測量士試験または測量士補試験の合格者は土地家屋調査士試験の午前試験が免除となります。
勉強量が少なくて済む測量士補試験を受験し、その分土地家屋調査士試験の勉強に集中するという王道パターンです。
まとめ
測量士試験と測量士補試験を趣味で受けるに、どちらが良い悪いということはありません。自分の余裕や目的を鑑みて受験する試験を決めてみてはいかがでしょうか。測量士・測量士補いずれにしても測量や地図について知ることが出来るのでおすすめの資格だと思います。